香港・九龍半島の下町、モンコックの一角にある木賃宿にチェックイン。
何となく漂う匂い。何度か触れた匂い。
宿に荷物を置き、すぐに地下鉄で“あそこ”へ向かう。
一階入口付近で二週間分の両替を済ませ、
さらに奥へ進むと、スパイシーな店が所狭しと密集している。
集団の男たちにジロジロ視線を向けられながら、ぐるぐるとパトロール。
何となくこの辺りと云う場所で、リュックからマキナをさっと出し、
ファインダーを覗き込む。ストロボは持っていない。
ぎりぎりまでシャッタースピードを落として、誰か人の姿が入ったところで、
静かにシャッターを押す。
それはなんて事ない簡単なこと。 きっと何か、は写っていない。
でも凄く気持ちがいい。